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~秋の千葉を楽しもう~ 祝・国天然記念物指定! 太古ロマンあふれる「チバニアン」ってどんなところ?

今、千葉が世界からあつ~い注目を集めています! その理由は、この10月に国の天然記念物に指定されたばかりの「養老川流域田淵の地磁気逆転地層」、いわゆる「チバニアン」です。市原市田淵地区に世界的にも大変貴重な時代区分の境界を示す地層があることがわかり、県内外から地質学の専門家や歴史ファンが多く訪れています。市原市が10月に主催した現地見学会には、約270名の方々が参加! 関心や期待の大きさがうかがえます。豊かな自然が残る養老川の川床では化石も見つかっており、子どもが自然科学への興味を持つきっかけとなるような天然のお宝がたくさん! 太古ロマンあふれる地をいざ探訪!

 

「チバニアン」とは「〇〇時代」という言葉をカタカナで表現したものです。46億年の長い長い地球の歴史は、生命の誕生や各種生物の出現など、特徴的な現象を境界として時代区分されています。よく知られている「ジュラ紀」や「白亜紀」などは、恐竜や爬虫類の出現した時代を地球の時代区分のひとつとして表したものです。この市原市田淵の地層で確認されるのは、77万年前の「最後の地磁気逆転」の境界を示すものです。この地質年代を「チバニアン」と名づけ、「ジュラ紀」などと同じ「国際標準模式地(GSSP)」の正式登録をめざしています。

 

地球誕生 46億年前

先カンブリア時代 46億~5億4200万年前

古生代・三畳紀 (魚類、両生類が現れる)

ジュラ紀・白亜紀 (恐竜、爬虫類が現れる)

第三紀(ほ乳類が現れる)

更新世

 

 

「地磁気の逆転」とはどのようなものでしょうか。現在の地球では、方位磁石のN極は北を指します。ところが46億年の地球の歴史の中ではN極とS極が何度も逆転しており、このうちの「最後の逆転の時期」が論点になってきました。専門家の地質調査により、画像で赤のピンが刺さっているあたりの約77万年前の地層では地磁気の逆転が見られ、黄色のピンの地層ではN極とS極が反転途中、緑のピンの地層では地磁気の向きが現代と同じになっていることがわかりました。この地層が約77万年前の「最後の地磁気逆転」の証拠の場となったのです! このような「地磁気の逆転現象」が連続して観察できる場所は、今のところ世界中でチバニアンとイタリア南部の2カ所しかありません。

 

チバニアンやその周辺にある地層では「白尾(びゃくび)火山灰層」を見ることもできます。養老川沿いの露頭(崖の壁面)に近づいてよく目を凝らすと、クリーム色の2~3㎝の地層が。これが、約77万年前の古期御嶽山の火山灰が海底に降り積もってできた「白尾火山灰層」です。じつは当時、このあたりは海底でした。急激に房総半島が隆起し、養老川に侵食されることでこのような地層が見られるようになったのです。長野県と岐阜県にまたがる御嶽山からの火山灰が、はるか房総の海にまで飛んできたことがわかります! かなり大規模な噴火であったことが想像できますね。

 

周辺の支流では、珍しい自然現象「甌穴(おうけつ)」があちらこちらに。川底のくぼみに小石が入り込み、川の流水などで時間をかけて周囲をえぐるように少しずつ穴が広がり、このような現象が起こります。別名「ポットホール」とも呼ばれています。

 

養老川の川床では、運がよければ化石を見ることもできます! 上の画像は貝の化石で、下は生き物が海底を這った痕跡を示す「生痕化石」と呼ばれるものです。浅瀬でも観察することができますが、雨の降ったあとなどは増水している場合もありますので十分気をつけましょう。長靴を忘れずに!

 

いかがでしたか? 市原市では今回の天然記念物指定を受け、今後は周囲の遊歩道やトイレなどを整備する計画を進めています。現在、チバニアンは一般の方も自由に見学することができますが、一部私有地も含まれますのでマナーを守った行動を心がけましょう。川場が多いため足元がすべらないように十分気をつけてくださいね。

 

【アクセス】

上総牛久方面から県道81号線を養老渓谷方面へ。「田淵会館」の看板がある右手の坂を上ると、田淵会館があります。車の方は、会館の右手の道路を進んで駐車場(46台分)を利用できます。仮設トイレも設置されています。徒歩の方は会館の左手の道路を進むと、チバニアンに到着。田淵会館の駐車場は会館利用者専用なので駐車はできません。