先週お届けした【まずはコレだけ!子どもを上手に撮るスマホ術~基本篇】に引き続き、今回は応用編をご紹介します。お話を伺ったのは、プロのカメラマンで、ご自身も二児の父親である安部俊太郎さん。ママ友にちょっと差のつくおしゃれな構図もお教えします! この夏の思い出を、素敵に残しましょう
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ときには思い切ったアングルで
基本篇では「子どもの腰の位置までスマホカメラを下げて撮ろう」とお伝えしました。子どもの表情や姿をわかりやすく撮るための基本ですが、「いつも同じような写真で飽きちゃった!」というときにおすすめしたいのが思い切ったアングルからの撮影。ちょっと雰囲気の違った写真を楽しめるうえに、SNS映えも間違いなしです。

撮影者の頭の上まで思いっきり手を伸ばし、子どもの真上から撮った一枚。このように、画面を確認せず撮るテクニックを「ノーファインダー」といいます。確認するまで、どんな写真が撮れているかわからないワクワク感が!

こちらは逆に、思いっきり下のアングルから撮ったカット。生き生きとした躍動感が伝わり、緑と空の抜け感が印象的な1枚になっています。
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スクエア(正方形)モードをもっと使おう!
プロの世界で「人物撮影のときに見栄えがいい」とされている写真が正方形。デジタル一眼が主流になる前は、ハッセルブラッドという正方形撮影用のカメラが流行したこともありました。スマホカメラにはスクエアモードが内蔵されており、また今は写真店でもスクエア指定で現像してくれます。使わない手はない!
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スクエアモードだと上下左右の空白が均等で、おさまりがスッキリ。
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動きの激しい子どもは連写モードを活用しよう!
元気いっぱい走り回る子どもを撮影しようとするとどうしてもブレてしまいますが、ここで活躍するのが、iPhoneなど多くのスマホカメラに搭載されている連写機能。撮影ボタンを長押ししている間に写真を連続撮影してくれるので、あとからピントが合ったベストショットを選ぶことができます。最新のAndroid型では、自動で連写モードになる「先読み機能」が搭載されたものも!

連写モードで撮影。最後の5枚目がベストショット! 子どもにピントが合い、かつ背後の背景は流れるように映っており、活発な動きが感じられる臨場感のある1枚になりました。
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フロントカメラをあえて使う!
セルフィーのときに使うフロントカメラ。インカメラという呼び方をすることもありますが、じつはメインカメラに比べて性能が劣ってしまうことをご存じですか? 通常はできるだけ使用を避けたいフロントカメラですが、子どもを撮影するときは別! 「写真撮るからこっち向いてー!」と言っても遊びに夢中でなかなかいいお顔をしてくれない子どもたちも、フロントカメラモードにして自分の顔が画面に映ると、とてもうれしそうにニコニコ笑顔を見せてくれるんです! セルフィーじゃないときでも、あえてフロントカメラを使ってみて。きっと素敵な笑顔が撮れますよ。

「僕がいる~♪」画面に写った自分の顔を見てニコニコ! 満面の笑顔が撮れました。
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最大の難関! 花火もちょっとした工夫でこんなにきれいに
夏休みの夜に欠かせない花火。自宅のお庭で、キャンプ場でと撮影のチャンスは何度かあるものの「いつもうまく撮れない!」という方がほとんどでは? じつは特別なものを使わなくても、上手に撮影する方法があるんです。

いつもどおりに撮ると、上のように真っ暗になったり、ブレて煙だらけだったり……。以下のことに気をつけて撮ってみましょう!
・フラッシュはオフ
夜だからとついフラッシュをオンにしてしまいがちですが、そうすると全体が白っぽくなってしまいます。
・なるべく暗いところで
少しでも明るいところで、と思っていませんか? じつは花火の炎以外の光が入らないほうが、美しく撮れるんです。公園の街灯やお店の明かりなどの強い光が入り込まないところで!
・あえて夜景モードは使わない
夜景モードにするとシャッタースピードが遅くなり、ブレやすくなってしまうことがあります。通常モードで、ブレないようにしっかり持って撮影したほうがきれいに撮れます。
・風下で撮らない
撮影者が風下に立つと、花火の煙が流れてきて上のようなモクモクの写真に……。煙の少ない花火もありますので、なるべくそのようなものを選ぶと楽に撮れます。
・花火の炎が子どもを照らしている角度を探そう
これがいちばん重要なポイント! 撮影者が子どものまわりを移動し、花火の炎が子どもの顔を照らす角度を探して撮りましょう。斜め上からの角度は胴長に見えてしまうかもしれませんが、花火撮影では光を優先してください。炎の明るさを利用して人物を撮影することで子どもも手に持った花火も撮影することができます。

フラッシュなしの通常モードで、ここまできれいに撮れました!
お話を聞いたのは
安部俊太郎さん
1976年生まれ。人物撮影を主に、フリーカメラマンとして活動中。JRA日本中央競馬会のオフィシャルカメラマンも務める。
東京都練馬区の写真スタジオ「windstudio-tokyo」の代表。

「windstudio-tokyo」(東京都練馬区)
東京メトロ有楽町線・副都心線「氷川台」駅より徒歩10分
東武東上線「上板橋」駅より徒歩15分
近隣にコインパーキングあり
取材・文/植木淳子
