ほっと、人、あんしん。京葉ガス

ともに With you 千葉

ほっと、人、あんしん。京葉ガス

presented by SHUFUNOTOMO

令和初の節分! 豆まきでまくのは大豆? それとも落花生?

「鬼は~外!」「福は~内!」。2月3日の節分の日は、豆まきで邪気や疫病を追い払い、年の数だけ豆を食べるのが恒例行事ですね。

筆者は当たり前のように大豆をまいていたのですが、落花生の生産量全国No.1を誇る千葉県では「節分には落花生をまくのがジョーシキ!」という説が……! このウワサの真偽を検証するべく、全国落花生協会や成田山新勝寺、JAちば全農にお話をうかがってきました。

 

 

千葉県の節分は、大豆をまくの? 落花生をまくの?

 

千葉県では、2010年から県知事による「落花生の豆まきイベント」が行われており、千葉の落花生を広くPRしています。しかし歴史的にみると、どうやら千葉県では大豆をまくのが一般的だったよう。

 

全国落花生協会の合田(ごうだ)さんにお話を伺うと、「民間の調査によると、昔から北海道や東北、新潟、長野などの一部の地域では、落花生をまいていたことがわかっています」とのこと。これらの地域に共通するのは「雪」! 雪の上にまくなら、大豆よりも落花生のほうがあとで拾うときに効率がいいという理由もあったのではないかと考えられています。

 

全国落花生協会が2014年に東京で行ったアンケートでは、2割以上が「節分のときに落花生をまく」と答えたそう。合田さんによると「落ちたものを拾って食べる際に、落花生のほうが衛生的であるということも理由ではないでしょうか」とのこと。なるほど! 落花生だと、庭など外にまいたものも食べることができますね。ちなみに、日本でのピーナッツ、落花生の消費量は、節分に向けてのこの時期がいちばん多いそうです。

 

 

成田山新勝寺の節分でまかれるのは…!?

 

毎年多くの参拝者が訪れる、千葉県成田市の「成田山新勝寺」の節分会(せつぶんえ)。昨年は、約6万人もの人々が参加しました。毎年、約860㎏もの大豆と、約400㎏の落花生がまかれ、このなかには千葉県産のものも含まれています。今年も横綱白鵬関など大相撲力士や、NHKの大河ドラマ出演者などが登場し、盛大に行われる予定です。

 

「節分会が始まった当初は、大豆だけがまかれていました。

しかし戦後の社会情勢の変化に伴って、衛生面などが考慮されるようになり、昭和44(1916)年ごろから大豆を小袋に入れてまくようになったのです。落花生がまかれるようになったのも、同じころです」

(成田山新勝寺企画課の松岡さん)

なんと50年も前から、新勝寺では落花生がまかれていたのです!

 

ちなみに、成田山新勝寺の節分会では「福は内」だけで、「鬼は外」とは唱えません。それは「成田山御本尊不動明王は、大きな慈悲の御心で、この世の生きとし生けるものすべてに等しく救いの手を差しのべてくださる」と考えられているから。鬼も例外ではなく、お不動さまのご加護によって改心し、仏の道へと導かれます。「鬼は外」という言葉はお不動さまの御心にそぐわないとされ、「福は内」だけが唱えられるのです。

 

開運豆まきに申し込むと、大本堂内での御護摩祈祷中に豆まきができます。裃(かみしも)を着け、開運招福と災難消除を祈って福豆をまきます。

 

 

今年は落花生をまいてみよう! おすすめの品種はコチラ!

 

落花生の生産量全国一を誇る千葉県。JA全農ちばの担当者の方にお話をうかがうと、「食べ物を無駄にしない」という観点からも、最近では落花生をまく風潮が少しずつ広がっているそうです。落花生の食べ方には「煎り」と「ゆで」の2種類がありますが、節分に向いているのは、殻つきのまま焙煎した「煎り」のほうです。

 

おすすめの品種も教えていただきました!

 

千葉県を代表する品種の「千葉半立」。貴重な国産落花生のなかでも、最高級の品種のひとつです。香りよく、独特の風味が特徴です。

 

2018年に誕生した、新しい品種の「Qなっつ」。「千葉半立」と同じく、千葉県内でのみ栽培されています。ショ糖を多く含むため甘みが強く、お子さんもおいしく食べられます。ほかの落花生と比べて殻が少し白っぽく、見た目も美しい落花生です。

 

 

取材の結果、「千葉県では実は約50年も前から落花生をまくところもあり、最近では落花生をまくのが県民に広まってきた」ということがわかりました。外にまいても捨てずに食べることができるので無駄がなく、片づけもラクチンで、さらにおいしい千葉の落花生! 令和初の節分は、あなたも千葉県産の落花生をまいてみませんか。

 

 

※2020年1月末時点の情報です。

 

 

取材・文/植木淳子

協力/PIXTA