ほっと、人、あんしん。京葉ガス

ともに With you 千葉

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presented by SHUFUNOTOMO

やっぱり千葉が好き! 第19回 大人が迷い込める素敵な異空間 〜Cafe ONIWA

駐車場に停めた車から降り立ったぼくは、清爽な風に吹かれた。

すぐ背後には、その森の中へと延びていく未舗装の小道がある。

目的地への「入り口」だ。

 

ぼくは、その小道をのんびりと歩き出した。

落ち葉と土を踏みしめながら緩やかな下り坂を進みつつ、深呼吸をひとつ。

すー、はー。

足元には色とりどりの花々が咲き、頭上からは小鳥たちの歌声が降ってくる。森のそこここに置かれているのは、いい具合に錆びの浮いた看板とオブジェたちだ。

 

気づけば、ぼくは、なんだか時代を超えたファンタジーの世界にでも迷い込んでいくような、ちょっと素敵な気分を愉しんでいた。

 

やがて森が開けて、小道は行き止まりになった。

そこに建っていたのは、築50年を超えた古民家。しかも、あえて「古びた雰囲気のまま」にリノベーションした二階屋である。

ここが今回の目的地「Cafe ONIWA」だ。

 

入り口のあたりから何やら美味しそうな匂いが漂ってきて、腹ペコのぼくのお腹がよじれてグウと鳴る。

 

店内に入るとすぐに、ぼくは「うわぁ……」と言いながら、三百六十度ぐるりと見まわしてしまった。

この店、どこを見ても「洒落心」と「遊び心」だらけなのである。

古めかしくも懐かしい窓、その窓越しに見える自然風景、手作り感満載の壁や棚、レトロなショーケースのなかには一目惚れしそうなデザインの陶芸作品や、身体にやさしそうなお菓子が陳列されている。

 

客席のある二階へと促されたぼくは、鉄工の作家さんが作ったという不思議なデザインの階段を上っていく。

そして、わくわくしながら見渡した二階のフロアもまた「洒落心」と「遊び心」に満ちていた。

 

床から木が生えているし、森を眺めおろせるテラスもあるし、椅子ひとつとっても、すべて違うモノが使われているのである。

いやはや、ここまで徹底して「店づくりを楽しんでいる」カフェには、これまで出会ったことがない。

そんな「Cafe ONIWA」のオーナーは川鍋正人さん(45)だが、この日、お店にいらしたのは奥様の麻誇(あさこ)さん(41)だった。

ぼくは麻誇さんに、どうやってこの店を作ったのかと訊ねてみた。

すると、ちょっと予想外の返事が返ってきたのである。

「主人がそもそもガーデンリフォームなどを手がけるエクステリア作家なんですけど、その仲間の鉄工作家さんや木工作家さんたちが集まってきて、みんなでアイデアを出して、正確な図面を起こさないまま、わいわい楽しく作っていったのがこの店なんですよ」

 

麻誇さんの言葉を聞いて、ぼくは「なるほど」と頷くしかなかった。

たくさんのクリエイターたちの「遊び心」と「洒落心」と「自由な発想」と「技術」を詰め込んだからこそ、こんなにも、どこを見てもわくわくするような空間が創造されたのである。

 

「Cafe ONIWA」の秀逸なところは、森(お庭)と店の空間だけではない。

料理もまた、いちいち手が込んでいて美味しい。

 

この日のランチは有機無農薬の野菜を使った「土鍋ごはんSET」と、15種類のスパイスとたっぷり野菜で作られた「サルサキーマカレー」で、どちらも食後にはチーズクリームがのったカシスアイスが付いてきた。「やぱ千葉」取材チームのみんなで、この2種類のランチを平らげたうえに、追加で「オーガニックキャロットケーキ」「いちご甘酒(アイス)」「水出しアイスコーヒー」「チャイ」などもオーダー。そして、予想通り、そのすべてに大満足したのだった。

 

この店は、思いがけないほどメニューが豊富なので、本当はもっとたくさんの味を愉しみたかったのだけれど、さすがに満腹になったお腹をさすりつつギブアップ。

今度はプライベートでこっそり訪れて、まだ味わっていないメニューを堪能していこうと思う。

 

ちなみに、一階のショーケースのなかに陳列されている可愛らしい陶器やガラスの食器類は、この店の料理に使われている作家さんの作品だそうだ。

また、テイクアウトでも人気のスコーンやマフィンといったスイーツ類は、卵やバターを使わず、良質のオイルや国産小麦、てんさい糖、洗双糖で作ったカラダに優しいスイーツとのことである。

 

ぼくは、このスコーンとマフィンを数種類購入して、大人が気軽に迷い込める素敵な異空間を後にした。

 

そして、いま−−−−、

素朴でさくさくとしたスコーンを齧り、コーヒーを啜りながら、この原稿を書き上げたところである。

 

 

 

【Café ONIWA】

〒270-0101

千葉県流山市東深井534-2

TEL:080-9705-0020

HP: http://www.innocent-oniwa.com

 

 

作者:森沢明夫

写真:鈴木正美

写真クリエイティブマネージメント:重枝龍明

編集:西小路梨可(主婦の友社)