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9/7(金)~地元先行上映中! 船橋が舞台の『きらきら眼鏡』 スペシャル対談(後篇)

9/7(金)に、全国に先駆けてTOHOシネマズららぽーと船橋で公開されている映画『きらきら眼鏡』。船橋出身・在住の作家、森沢明夫さんが地元を舞台に描いた同名小説が映画化されたものです。

(※詳しくは前篇をご覧ください!)

 

いよいよ15日(土)からは、有楽町スバル座など、全国で順次公開されます。前回に引き続き、映画公開を記念して行われた、原作者の森沢明夫さん、監督の犬童一利さん、主役の立花明海演じた俳優、金井浩人さんの対談の後篇をお届けします。

 

<右から>原作者の森沢明夫さん、主演俳優の金井浩人さん、映画監督の犬童一利さん。

 

森沢:『きらきら眼鏡』はそうやって、船橋の方々に協力していただきながら、船橋で作った映画ですよね。犬童監督は最初から「船橋から世界へ」って言っていたけれど、それが本当に、世界に行くことになっちゃった! 世界12大国際映画祭のひとつである上海国際映画祭に呼ばれて。

 

犬童:そうなんです。金井や、あかね役の池脇千鶴さん、あかねの恋人・裕二を演じた安藤政信さんとレッドカーペットを歩きました。そのとき本当に、船橋の方々の援助や、配給会社の理解や、池脇さん、安藤さんみたいにアジア圏で評価の高い役者さんの力や、いろんな人たちのおかげでここを歩いている、と思いました。僕だけの力だったらできなかったことです。この映画祭の様子がNHKニュースでも放送されて、それを地元のみなさんが観てくださっていたこともうれしかったですね。

 

森沢:上海でのお客さんの反応はどうだった?

 

犬童:泣きながら観てくださっているお客さんもいたようで、国が違っても、普遍的なもの、通じるものがあるんだと思ってうれしかったです。あとはとにかく、安藤さんの現地のファンの方が多くて(笑)。

 

森沢:そうなんだ!(笑)。

 

犬童:安藤さんの名前が書かれたうちわをもっているお客さんもいましたし、質問タイムも安藤さんへの質問だけで終わったり(笑)。

 

森沢:金井くんはレッドカーペットを歩いた印象はどうだった?

 

金井:もう、ひたすらうれしかったですね。一緒に戦ってきた人たちと、自信をもってこの作品を携えて、みんなで歩けたということが。

 

森沢:そもそも、金井くんはどうして役者になろうと思ったの?

 

金井:映画が好きで、「自分の鬱屈した思いを晴らしてくれるのは映画だけ」という思いもありました。はじめはスタッフとして、映画の世界に関わりたいと思っていたんです。

 

森沢:犬童監督はオーディションのあと「金井くんを主役にしたい。立花明海役にぴったりで、ピカッと光るものがあるんです!」と言っていたね。

 

 

犬童:いま金井が言っていた「鬱屈」というものが金井自身にあって、それが明海にすごくリンクしたんです。お芝居のうまさという技巧的なことではなくて、たたずまいや目の表情、話している姿なんかに、明海を感じさせるものがすごくあった。

 

金井:怖々ながら「ちょっと足を踏み入れてみようかな」と思っていた映画の世界で、まさか自分が主役をはるなんて、想像もしていませんでした。

 

犬童:しかも1年半前に映画の制作がスタートしたときは、まさかレッドカーペットを歩くことになるとは夢にも思ってなかったよね。金井は初めての海外旅行だったでしょう。その理由が「自分が主演した映画の映画祭に参加するため」って、最高だよね! もちろん金井が、自分自身との戦いを戦い抜いたからこその結果。そういう意味で、若い役者さんたちにも勇気を与えられたんじゃないかな。

 

森沢:がんばったら認められることもあるぞ、ってね。最近の日本映画はどうしても「キャストありき」ということろがあるからね。

 

犬童:「売れている俳優ありきで売れる映画を作る」という今の変な方程式に、僕らが挑んでいかなきゃいけない。そんななかで、今回この映画がTOHOシネマズららぽーと船橋で上映されることが決まったのは、すごいことです。

 

森沢:東宝の映画ではないにもかかわらずね(笑)。

 

犬童:「地元で公開してほしい」という船橋市民のみなさんが9000人もの署名を集めてくださって、実現したんです。

 

森沢:劇場も相当期待してくれてるってことだね。

 

犬童:まさに、市民の方々の熱意が劇場を動かしたんです! ありがたいですね。

 

第21回上海国際映画祭でのレッドカーペットシーンがこちら。

 

9/7(金)にはTOHOシネマズららぽーと船橋で初日舞台挨拶が行われ、地元・船橋からはもちろん、県内外からも合わせて400人近いお客さんが訪れました。森沢さん、犬童監督、金井さんのほか、金井さんとダブル主演を務めた池脇千鶴さんや、安藤政信さんらがステージに登場。緊張した面持ちの金井さんを横に、安藤さんが自分の役名を忘れるハプニングが起こり観客席から笑いが。和気あいあいの温かい雰囲気でした。

9/15(土)からは有楽町スバル座ほか、全国で順次公開されるのでぜひ劇場に!

 

©森沢明夫/双葉文庫 ©2018「きらきら眼鏡」製作委員会

 

『きらきら眼鏡』ホームページ

https://kirakiramegane.com/movie/

 

森沢明夫さん

船橋市出身・在住の作家。『きらきら眼鏡』作者。これまで手がけた多くの作品が映像化される。近年映画化された作品に『夏美のホタル』(2016年)、『ライアの祈り』(2015年)など。

 

犬童一利さん

1986年生まれ。神奈川県出身。人間の心の機微を描くことに定評のある、注目株の若手監督。近年の作品に『つむぐもの』(2016年)、『早乙女4姉妹』(2015年)、『カミングアウト』(2014年)など。

 

 

金井浩人さん

1992年生まれ。新潟県出身。2012年に『この空の花 長岡花火物語』(大林宜彦監督作)で映画デビュー。その後もショートフィルムなどに出演し、演技力に注目が集まる。本作が初主演作。

 

 

◎撮影/鈴木正美、重枝龍明(ともにstudio orange)

◎取材・文/植木淳子