子どもと過ごす時間が多くなる夏休み。楽しいイベントもいっぱいで、自然と子どもの写真を撮る機会が多くなりますよね。スマホの普及とともにデジカメなどを持つ人は減り、運動会や学芸会などの行事でもない限り「ほぼスマホカメラ」というママさんがほとんどではないでしょうか? でも「なんだかスマホだとうまく撮れない!」というお悩みが多いのも事実! 今回はプロのカメラマンに「スマホで子どもを上手に撮るカンタン裏技」を教えて頂きました。基本編・応用編と2回に分けてお送りします。
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まずはコレだけ! 子どもを上手にとるスマホ術~基本編
お話をお伺いしたのは、雑誌などで活動するプロのカメラマンで、ご自身も二児の父親である安部俊太郎さん。都内で経営するスタジオで、地元の子どもたちを撮る機会も多いそう。
「スマホはじつは最強の子育てカメラ。どこへ行くにも持参して、いつでもどこでもさっと撮れますよね。僕もプライベートで自分の子どもたちを撮るときはほとんどスマホ。一眼レフなどのブームで、『何を買えばいいのか迷ってるんです』なんて話もよく聞きますが、スマホカメラを使いこなすだけでも写真の世界観がぐんと広がりますよ」と安部さん。まずは基本の5つを意識しましょう!
①レンズをきれいに! 毎日ふいていますか?

スマホで写真を撮ったら、白くもやがかかったような画像に見えることはありませんか。「光の加減かな?」と思いがちですが、じつはレンズが汚れていることがほとんど。毎日持ち歩くものだからこそ、思ったよりもレンズは汚れています。やわらかい布でこまめにふくようにしましょう。
②ズームは使わない
スマホのカメラレンズにはズーム機能はついていません。指でタッチしたときにズームのように見えるのは、レンズがとらえている画像の一部分を無理やり拡大しているだけに過ぎません。ですからちょっと拡大しただけでも途端に解像度が落ちて、ぼやけてしまいます。子どもになるべく近づくことが基本です。
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拡大すると画像が荒く!
③スマホの位置を大人の腰の位置まで下げよう
子どもを撮るとき、大人のほうが背が高いのでどうしても斜め上からのアングルになってしまいがち。すると、広角レンズで撮ったように子どもが頭でっかちになってしまいます。大人の腰の位置の高さくらいまでカメラを下げると、表情もよく見えます。
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斜め上から撮った左の画像は、胴長短足に見えてしまう!
④「引き」と「寄り」を上手に使い分けよう
先ほども説明したように、スマホカメラはズームを使わず人物に近づいて撮るのが基本。でもそうするといつも人物中心の同じような写真に。ズームは使わずに、ときには背景を生かした「引き」の画像を。子どもの姿は小さくなっても、風景とマッチしてかえって動きが生き生きと見えることがあります。
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なんてことない風景も、「引き」で見ると迫力が!
⑤「子どもが影にいて、奥に日が当たっている」状態は避けよう
日影の子どもを撮るとどうしても暗い写真になってしまうと思ってませんか?太陽がさんさんと照りつけているのような日中の場合、青空を背景に撮影しようとするとスマホカメラの自動補正機能により、下のように人物が真っ暗な写真になってしまうことがあります。そんなときは、撮影者も日陰に入って、背景も日陰にすれば風景も人物も明るい写真になります。
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いかがでしたか? 基本がわかったところで、次回は応用編! お友達と一味ちがう、センスのいい写真を撮る秘密をご紹介します。
お話を聞いたのは
安部俊太郎さん
1976年生まれ。人物撮影を主に、フリーカメラマンとして活動中。JRA日本中央競馬会のオフィシャルカメラマンも務める。
東京都練馬区の写真スタジオ「windstudio-tokyo」の代表

「windsstudio-tokyo」(東京都練馬区)
〇電車でお越しの場合
東京メトロ有楽町線・副都心線「氷川台」駅より徒歩10分
東武東上線「上板橋」駅より徒歩15分
近隣にコインパーキングあり。
取材・文/植木淳子

